私たちが日常生活の中で使っている言葉の中には、仏さまの教えに由来する言葉がたくさんあります。
以前に、あるテレビ番組の中で「意外と知らない日常で使われている仏教用語ランキング」というものが発表されていました。
その中で一位に発表されていたのが、「有頂天」という言葉でした。有頂天は、喜びで舞い上がることを言いますが
、「天上界における最高峰」を指した仏教の世界観を表す言葉です。
仏教では、「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上」の六道を生まれ変わり、死に変わりする六道(ろくどう)輪廻(りんね)を説きます。有頂天は、六道の中でも最高とされる「天上界」の最高
の位置を表し、そこに到達して喜びの絶頂にいるということに由来します。しかしながら、天上界はまだ六道の一部
であり、天上界での寿命が尽きると、次の生まれ変わりは地獄かもしれません。私たちの人生がたとえどんなに幸せ
でも、思わぬ落とし穴があるかもわかりませんから、忘れずに自重するのも大切なことだと思います。仏教の目的は
、六道から離れ、極楽浄土に往き生まれることなので、阿弥陀さまに救っていただくしかありません。